2018年12月01日

中国人民解放軍 87式迷彩服 (実物放出品)







中国人民解放軍 (略称:PLA) の「87式迷彩服」です。

「87式」は、解放軍の迷彩服としては、全軍に普及した最初の被服です。(PLA初採用の迷彩服は「81式」ですが、支給は限定的だった模様)






PLAでは1980年代に軍の近代化を図るため、一旦廃止していた階級制度を1989年に復活させるにあたり、新たな軍服体系を研究しました。






その結果、採用された「87式」系列では、それまでの「軍服」を、「制服」と「戦闘服」に分類し、国際標準に合わせた新しい軍装を確立しました。






「87式」はブルゾン型の戦闘服で、既存の整備・作業服や81式迷彩服の流れを汲む物と思われます。

ポケット位置やジッパーの使用等、細部のデザインからはフランス軍のF-1戦闘服の影響も感じられます。






この迷彩服は、「八七式三防迷彩戦闘服」とも呼ばれますが、この「三防」とは、「炎」「紫外線」「擦過」に耐える、という意味で、これらの特徴は中国における核実験で得られた教訓が活かされているとの事です。







襟は折襟タイプです。

状況により、開襟スタイルで着用する事も出来ます。






肩にはエポーレットが設けられています。

ここに、肩章型階級章を取り付けます。







両胸にはジッパー式のポケットがあります。

カーゴタイプと違い、容量はあまり多くありません。






胴から腰にかけて、蓋付きの大型ポケットがあります。

このポケットは蓋の付いた袋状の部分と、斜めにジッパー式の開口部がある面白い構造をしています。








ポケットの蓋はベルクロ式で開閉出来ます。

過去の人民解放軍被服では見られなかった新機軸です。







蓋付きポケットの上層には、ジッパー式の物入れがあり、ハンカチやメモ紙片等の薄物を収納するのに便利です。






ジャケットの裾にはゴムが内蔵されており、ウエストへの追従性を高めてあります。

81式迷彩服から受け継がれた工夫ですね。






左上腕部には、ワッペンを取り付ける為のループが設けられています。

ワッペン用ループは形状・サイズも含め、現用の「07式作戦服」にも受け継がれています。






肘には、補強の当て布がしてあり、耐久性を高めてあります。

もともとが比較的薄手の素材なので、効果は高そうです。







右上腕部には、ドットボタン式の蓋の付いた小型ポケットが設けてあります。

既存の解放軍装備にも見られる物で、おそらくは包帯入れと推測されます。







袖にはカフスがあり、ドットボタンで手首にフィット出来るよう作られています。







前あわせはジッパー式で、素早く着用出来るよう配慮されています。






裏地は迷彩時がうっすら見える白地で、内張りは無く簡素な作りです。







裏地のポケット部分にタグ・スタンプがあり「2004年製」と表記されています。

1999年にはマイナーチェンジ版の「99式迷彩服」が採用されている事から、工場によっては新型採用後もしばらく製造が続けられた物と推測出来ます。






背面の形状です。

偽装用ループやウエストストラップ等は無く、シンプルな作りです。






袖の形状です。






ゴムの内蔵された裾の状態です。






迷彩ズボンの正面です。

ストレートズボンタイプで、カーゴポケット等もありません。

工夫の凝らされたジャケットと比べると寂しい位にシンプルです。






ウエスト部分にはベルトループが設けられています。

両側にはスリット式のズボン・ポケットがあります。






ズボンの前合わせはボタン式です。

ボタンは「78式軍服」の物に良く似た、色・質感の樹脂製です。






膝部分には当て布がしてあり、耐久性を高める工夫が見て取れます。






迷彩ズボンの背面です。






尻の位置には、貼り付け型ポケットが2箇所設けられています。






蓋はベルクロ留めで、開け閉めがし易いように作られています。






股の部分には、丸型の当て布がしてあり、耐久性への配慮が見られます。

素材が薄い生地なので、二重に強化してあると安心感があります。






ズボンの裾は、ボタンでまとめて留められるように作られています。

私の購入した物は未使用のデッドストック品でしたが、梱包状態で既にボタンが欠けた状態でした。






迷彩ズボンの側面です。






ズボンには尻ポケットと物入れ、合計4箇所のポケットがあります。






貼り付け型ポケットの雨蓋は2箇所のベルクロで固定されます。

あえてボタンを使わない所に、デザイナーの利便性への工夫が見て取れます。






膝の当て布の状態です。

同時代の他国軍服では、この位置に大型のカーゴポケットを取り付けてある物ですが、「87式」では何も無くシンプルそのものです。








裾にはボタン留めタブがあり、足首を絞ることが出来ます。

ローカットのズック靴を多用するPLAの兵士にとっては便利な機能と言えます。






ズボンの内側は白無地です。

生地が薄手なので、表地の迷彩柄がうっすら透けて見えます。






前述のとおり、購入時点で割れていたボタンの状態です。

管理が大雑把なのか、たまたま運が悪かったのかわかりませんが、泣く泣くジャンクパーツから似た形状のボタンを持ってきて移植しました。






陸軍の「87式筒式肩章 (階級章)」を装着した状態です。

今回紹介した「87式」は夏季戦闘服にあたります。

冬季向けには、細部のデザインが異なる「87式冬季作訓服」があり、こちらは軍緑色単色となっています。

同様に冬季向けの軍緑色作訓帽、防寒靴が合わせて用意されています。






この肩章は1992年改定型で、初期の物より素材を変更し、耐久性を高めてあります。

「99式筒式肩章」が採用されるまで7年間に渡り迷彩服と共に使用されました。

「87式」は1990年代を通して順調に普及していき、PLAのイメージをかつての人民服の時代から一新させました。

その後、1999年にはマイナーチェンジ版の「99式迷彩服」が採用されますが、中国本土でもひとまとめに「87式」とされている事が多いです。

「78式軍服」をひとまとめに「65式軍服」としてしまうのと同じ状況のようです。






実際に着用してみると、動き易さを重視した、ゆったりした作りで、夏は薄手で涼しく、着丈に余裕があるので冬でも下着の重ね着で対応できるので、サバイバルゲームでも使い勝手は悪くないです。






一方、裁断上、余裕を持たせたデザインゆえに、軍服らしいスマートな着こなしは難しいようです。








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