2017年05月06日
アメリカ海兵隊 P1941 HBTユーティリティ (複製品)
アメリカ海兵隊のP1941HBTユーティリティです。
本品は中田商店で販売されている、セスラー社の複製品です。
HBTユーティリティは本来は作業服として支給された被服ですが、本来軍服として着用されていた「チノ・シャツ」の明るいカーキ色やタイトな裁断が、南太平洋の島嶼地域向きでは無かったため、第二次世界大戦全期間を通してHBTユーティリティが戦闘服として使用されました。
HBTユーティリティはまずP1941、のちに戦訓を取り入れて改良されたP1944が採用されましたが、P1944の着用は1945年の沖縄戦末期に見られる程度で、もっぱら戦後、朝鮮戦争において本格的に使用されました。
襟は第一ボタンで留める事が出来ますが、戦地ではもっぱら開襟で着用されていました。
本品はP1941の中でも後期生産型を再現した物です。
初期の物との主な違いは、ドーナツボタンが赤銅色だったものを黒塗装とし、胸ポケットも初期の物よりエッジが角ばっています。
袖口はドーナツボタンで留めます。
ボタンホール2つに対し、ボタンが4つも付いていますが、実物では2つです。
セスラー、ボタンが多すぎますねw
余分なボタンを外すのは簡単ですが、穴が残ってしまうので、私は着用時には袖まくりをして誤魔化しています。
こちらは対になるズボンです。
生地はHBT(ヘリンボンツイル)、日本語で杉綾織ですが、陸軍とは織目が違うのが特徴です。
色も明るめのセージグリーンとなっています。
ズボンには側面に手を突っ込めるポケットが2つあります。
更にズボンベルトループの近くに懐中時計を入れるための小ポケットがあります。
このあたりの造りが時代を感じさせますね。
背面には貼り付けタイプの尻ポケットが2つあります。
側面のポケットもそうですが、陸軍の作業服のようなプリーツは一切無く、容量は非常に少なくあまり実用的ではありません。
海兵隊独特のズボンベルトを通したところです。
セージグリーンにライトカーキのベルトと真鍮バックルの色味が映えて良い感じです。
前合わせはボタン式です。
ボタンはジャケットと同様、陸軍とは異なる海兵隊独自のドーナツボタンが使われています。
ズボンには内張りなどなく、いかにも作業服らしい造りです。
ズボンの裾は単純な筒袖で、絞り紐等は一切ありません。
海兵隊の官給品Tシャツの複製品です。
第二次世界大戦当時のアメリカ海兵隊のインナーシャツは、独特の青みがかった色調が特徴なので、アメリカ製の精巧複製品を入手しました。(Tシャツ1着に4,000円も使ったのは初めてだわ…w)
着装状況・正面。
ユーティリティ(作業服)なので、全体にゆったりしたデザインで、軍服らしくないところが米軍らしいですね。
帽子はP1941カバーを着用しています。
帽子自体は陸軍のM1941ユーティリティキャップと全く同じ物です。
着装状況・背面。
服の裁断のシンプルさ、着心地のゆったりした感じがよくわかります。
大戦初期の南方装備であるチノシャツ・チノパンツがP1941HBTユーティリティへと取って代わられたのは、服の色もさることながら、着用時の動きやすさが大きな理由だと思います。